肝血管腫のうち約10%は低エコー腫瘤であることが知られている。脂肪肝内部に正常の肝実質が残存しているときにも低エコー域として描出されるが、門脈水平部の前方や胆嚢床周囲であることが多く、形状も丸くないことが多い。低エコー腫瘤が描出された場合には、CTなど他の画像診断を必要とする場合が多い。

脂肪浸潤のために全体としてはエコーレベルが上昇した肝実質の中に,左肝静脈に接して4×3cm程度の低エコー域がみられる.
境界が不明瞭で,不規則な形状である.

 

右肝静脈の前方に,5×4cmの腫瘤が認められる.
肝血管腫は高エコーの辺縁を有したり,内部が高エコー腫瘤を呈するものも多いが,このように腫瘤全体が低エコーとなるものも存在する.
比較的大型の血管腫に見られるエコー像である.


企画・制作:超音波検査法フォーラム
協賛:富士フイルムヘルスケア株式会社