悪性腫瘍の症例で腹水があれば癌性腹膜炎を疑う。腹水のない症例では腹膜播種の診断は困難である。

癌性腹膜炎の症例.
多量の腹水の中に見られるアーチ状の構造は,癌細胞の播種により肥厚した大網(腸間膜)である.
消化管が浮遊せずに一塊となるのも,癌性腹膜炎の所見のひとつであり、omental cakingと呼ばれる.
癌性腹膜炎の腹水は、無反射ではなく内部にfine echo(浮遊する反射体)が認められることが多い.

 

膀胱直腸窩に,少量の腹水と腹膜面の肥厚が認められる.
これは癌細胞の腹膜播種を示す所見で,Schnitzler転移と呼ばれる.
ほかにモリソン窩,横隔膜面や肝,脾表面などで検出することがある.


企画・制作:超音波検査法フォーラム
協賛:富士フイルムヘルスケア株式会社