「超音波検査法セミナー」は富士フイルムメディカル株式会社が「超音波検査法フォーラム」に依頼し、
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第10章:頸動脈エコー検査の基本と観察
頸動脈エコー検査は、動脈硬化を評価する指標のひとつとして、人間ドックでのスクリーニングをはじめ、循環血管内科、脳神経外科、糖尿病専門科など多くの分野で活用されています。
超音波で映すことのできる頚部の血管の範囲はさほど広くありませんので、観察範囲という点では、MRI(頸部MRA)や造影CTには劣ります。しかし超音波では血管壁の内中膜やプラークのリスクなど、他の画像診断では難しい血管や病変の性状について、評価することができます。すなわち、低エコープラーク、潰瘍型プラーク、狭窄や閉塞などが相当します。
実際の検査では、リスクの高い病変を見つけ評価することが大切です。本章では、頸動脈エコー検査の基本と観察のポイントについて提示します。