Chapter-1 腎臓
水腎症

軽度水腎症

中心部に無エコーの領域をみとめる。この領域の形状は腎杯に沿うようにあることより、腎盂腎杯部の拡張であることがわかる。髄質は低エコーとなり全体的にやや腫大した腎臓である。
軽度の水腎症と紛らわしい所見として、腎静脈、腎盂部嚢胞、腎洞脂肪、腎盂腫瘍などがある。鑑別には腎杯や腎外への連続性を確認することが大切である。

高度水腎症

水腎症が高度になると腎盂腎杯が著しく拡張し、腎実質は伸展し菲薄化するため大型の多房性嚢胞のように見える。このような高度な水腎症の原因は先天性尿管狭窄など慢性的狭窄の場合が多く、急性の尿路閉塞で見られることは稀である。


企画・制作:超音波検査法フォーラム
協賛:富士フイルムヘルスケア株式会社