肝膿瘍は典型的には肝内の無〜低エコー域として描出されるが、初期のうちははっきりと描出されないことがある。
急性胆嚢炎では、胆嚢の緊満が必ずある。ただし気腫性胆嚢炎や胆道消化管瘻の形成など特殊な場合では、胆嚢自体が萎縮していたり描出できないことがある。発症直後には、胆嚢壁の肥厚や内部のデブリエコーは見られない。また原因となった胆嚢頸部に嵌頓する結石は、小さいものだと描出できないことが多い。

外側区の低エコー域は径4.5cm.
周囲の肝実質とは明瞭な境界が無く辺縁の厚みは不規則である.
点状高エコーを含む不均一な内部エコーを有し,後方エコーは増強している.

 

胆嚢頸部の嵌頓結石による急性胆嚢炎.
胆嚢は腫大し,胆嚢壁は層状に肥厚している.さらに激しい炎症では,壁の剥離像が観察される.
診断には,胆嚢に一致する圧痛も重要な所見である.


企画・制作:超音波検査法フォーラム
協賛:富士フイルムヘルスケア株式会社